漏れ切り講座 Part 1
1. 漏れ切りの意味=なぜ、漏れ切りするのか?
(漏れ切りとは、ライトの前に紙等の障害物を置き、照射範囲を狭める事の総称)
2. なぜ記念写真の職人は、あまり漏れ切りしないのか?
イ) 長年使っているので、自分のライトの照射範囲をつかんでいる。
ロ) あまりバライティに富んだ被写体を扱っていない。
ハ) 微妙なアガリの良さより、仕事の段取りの簡素化を優先し、漏れる可能性のあるライティングをしない。
上の例で言うと、漏れない位置からのバックライトしか考えない。
3. では、我々は何故学ぶのか?
イ) 機材がまだ固定していない。とくにストロボは発展せざるを得ないでしょう。当然ライトによって、範囲が違います。
ロ) 背景紙の幅が狭く、距離が取れないので、漏れやすい。
ハ) これからどう対象が転がるか分からない。
ニ) 厳しくアガリのグレードを上げて、既存の業界に噛みつく必要がある。
ホ) あらゆる局面に対応する知恵や眼を手に入れるには「漏れ切り」が最適だということは、映像業界では大昔から言われています。
デジタル主流になり、カメラワークはもちろん、画像処理まで一般化した現在、素人との差別化を甘く考えると、業界全体が失速することになると、思います。
4. 漏れ切りの仕方(基礎編)
イ) 室内でライトを使った漏れ切りの位置関係対象に近づいて切ると、切れ目がシャープになり、範囲が狭くなる。
ライト側に近づけると、切れ目はソフトになり範囲が広がる。
ロ) 自然光の場合
太陽光は直進するので、範囲は原則として変わらない。ただ、周囲の反射光の影響が大きいので、現実的には、切りを遠ざけるとソフトな切り口になる。
結果、理屈が通らないほど同様な効果が得られる場合が多い。
閑話休題:昔、僕の現役当時、売れっ子照明技師の某って人は、太陽光の直進性を知らなかった(^^;
○注このことはライトの明かり自体も同様で、近づくほどシャープで硬くなる。
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