制限とテーマと創作意欲

 創作過程という話について述べるなら、構想から表現方法まで自由に選び書くことが出来る小説と、テーマもフォーマットも有る論文のどちらの方が書くのが楽かと言えば、自分はという事では論文の方だ。
逆説的だけど実感として、自由に出来ない事、制限が有ることは却って創作意欲が高まり、仕事もはかどる。  

 仕事が捗る理由は、制限が有る方が作業の道筋が分かりやすいという事で何となく分かる。 制限が有る方が創作意欲が湧くというのはどういう事かと思うけど、これは多分、反抗の精神にも似た複雑な心理がそうさせるのではないか。
ルールを課せられる事によって、要求に添わなければ完成しないという焦りのような気持ちや、それを逸脱したい気持ちもまた湧き、それが力になるような気がする。

  世に残る宗教画や肖像画の傑作を見ると、これを描いた人は色々な事を思いながら描いたのだろうと想像する。

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