写真や絵画は商品として売買されているが、その絵が売られる基準も買われる基準も、絶対的なものは無い。人にはその人の見方があり、人それぞれだから。
例えば自分としてはアベドンはあまり好きではなくて、メイプルソープは好きなのだけど、これは何がどうだからと説明出来るものではなく、むしろこの手の好き嫌いは初めから生理的に決まっているように思う。こういう意味での好き嫌いは本当に人それぞれだ。
また、無名な人間が絵を売ることを考える場合、買われる絵やプリントが買う人の用途に合っているかどうかが評価のポイントになるとおもう。
自分はフランシスベーコンが大好きなのだけど、壁に貼るためには買わないと思う。ウォーホールも好きだが、矢張り朝から対面したいとは思わない。(勿論どちらも良いには違いない)
好きだけど買わない、良いけど買わない、買ったけど結局気に入らない、等々、所謂顧客満足度は本当に難しい問題だ。
良さに関してもう一つ考えるべきなのは出版社なりギャラリーなりの担当者との関係で、その担当者がたまたまその絵を気に入るという事、つまり、力のある特定の人に気に入れら良いと言われれば、その絵は良いと見なされる、という事だ。今評価されている過去の大作家たちも、その当時からその人を気に入り支えたパトロンとの関係は見逃せない。
こういうのは、たまたまの出会いとも言える。
よく言われる事だが、売れる流行ると良し悪しは同じではない。関係がないとは言わないが、その関係は単純なものでは無い。
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