現代美術においては、作品の説明を求められる事がよく有る。販売に際しても、これは何それと言葉によって、その作品が説明される。
と、すると、写真と言うのは、それが表現するものは皆言葉によって説明できるものなのだろうか?
自分はそうは考えない。むしろ、言葉に出来ない事こそ、写真が表現するものだと考える。
人間は、言語能力が特に発達している。これはもちろん悪い事では無いが、だからと言って言葉ですべてが語られると考えるのは、考え方としては行き過ぎだし現実にもそぐわない。その様な考え方は、音楽は譜面によって全てを伝える事が出来ると考えるのに似ていると思う。
アフリカの特定の地方では、情報の伝達にトーキングドラムを用いていた。それは言語的な通信を行う手段で有ったのだけど、単に文章化された言語の伝達ではなく、同時に叩く人の感情も伝えて行った。トーキングドラムでは、明確に言語化できない事柄も表現し、伝達する事が出来たのだ。
自分は写真にも同じことが出来ると考える。つまり、全てを文章に置き換える事の出来ない物を表現する事が出来るし、そうするべきだと考えている。
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