自分が広告業界に入った当初、新人に求められる仕事としてよく高所作業を行った。
スタジオの高い屋根に渡された骨組みに登って色々な作業をしたりする仕事だ。
初めに命じられた時には、そこは高すぎて自分にはとても出来ない仕事だと思った。実際、足を滑らせて下に落ちでもしたらただ事では済まないだろう。
しかし先輩から、まずこの、人の背丈位の脚立に登ってみろと言われたので登った所で、それに登れたら大丈夫だと言われた。
人の背丈の高さが有る脚立に登るのは怖い。登っている間は恐怖を感じ続ける。でも、分かったのは、もっと高い所に登っても怖さは同じだと言う事だ。脚立に登っても、スタジオの骨組みに登っていてもその怖さは変わらなかった。
つまりは、やれば出来るという事だ。
高所作業を行うとび職の働きは確かにプロフェッショナルのそれで、敬意も、勿論お金も払うに値する仕事だ。だけどそれは、自分の経験の中で分かった事なのだけど、誰にもできない仕事と言う訳ではない。
自分にはとても出来ないと思われる仕事、それはプロフェッショナルの領域だ。でも本当の所は、普通の人にも出来る事なのに、業界がプロにしか出来ないと思わせているだけなのかもしれない。
またそうやって仕事を得ているだけかもしれない。
でも、人にとても出来ないと思わせるというのはなかなか難しい事だ。そこを、流石プロと言うのはちょっと意地悪な言い方だけど。
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